女優仁村紗和(22)が、14日から上演されるギリシャ悲劇を題材とした舞台「エレクトラ」(東京・世田谷パブリックシアターほか)で初舞台を踏む。デビュー前には芸能事務所20社以上から所属オファーを受け、デビュー2年で15社前後のCMに出演した逸材がこのほど日刊スポーツの取材に応じ、今作でさらなるステップアップを目指す決意を明かした。

 世界各国で舞台化されている名作で、今回は女優高畑充希(25)とギリシャ悲劇女優の第一人者、白石加代子(75)がダブル主演する。高畑演じる主人公が、父を暗殺した白石演じる母と義父を恨んで復讐(ふくしゅう)を企てる物語で、仁村はその復讐に反対する高畑の妹役を演じる。共演者には村上虹郎(20)中嶋朋子(45)横田栄司(45)らも名を連ねる。

 15年の住友生命のCM「鶴の恩返し」などで、その演技とエキゾチックな美貌が話題となった。目鼻立ちがはっきりした自身の顔については「(顔が)“異国情緒”にあふれてますよね。ギリシャ顔と言っても過言ではないかも。私の父も母も日本人なんですけど、ラテン系な父の顔立ちを受け継ぎました」と笑う。チャームポイントは太いまゆ毛で「舞台映えに生かされてます」と胸を張る。

 舞台では、復讐を止めようと姉役の高畑と激しく口論するシーンが見どころのひとつだ。「私の役が見ている人に一番共感してもらえると思う。だから私もセリフにすごく共感できる。(高畑には)本当にめんどくさい姉だなって思いながら演じてますけど(笑い)」。

 稽古中には映画や舞台などの経験豊富な高畑や村上と食事に行き、アドバイスも受けた。「実は3人とも普段は関西弁なんです。今回は長いセリフもあるので『本番で誰もかまない日ってあるのかな』って話したりしながら刺激し合っています。強い思いを持った2人なので、話を聞いてて楽しいし勉強になります」。

 常に自然体であることも大きな魅力だ。「これから声優や映画などいろいろな仕事をやってみたい」と目を輝かせた。【松尾幸之介】

 ◆仁村紗和(にむら・さわ)1994年(平6)10月13日生まれ、大阪府出身。旅行で東京を訪れていた際に原宿でスカウトされ14年2月に芸能界入り。同年にNHK・Eテレ高校講座「ロンリのちから」内のドラマで女優デビュー。15年3月公開の「無伴奏」で映画初出演。今年公開予定の映画「巫女っちゃけん。」(広瀬アリス主演)にも出演する。164センチ。趣味はダンスとテニス。