X JAPANが11日、大阪城ホールで、世界ツアーをスタートさせた。

 5月に米ロサンゼルスの病院で頸椎(けいつい)人工椎間板置換の緊急手術を受けたYOSHIKIは、術後初ステージに立ち、ドラムではなく、ピアノで参加。今回は、アコースティック形式となり、YOSHIKIは「必ず元気になって(ドラムとして)戻ってくるからな!」と、首のあたりを抑えながらも、こん身の大声で叫んだ。

 首が万全ではなく、ドラムを封印したYOSHIKI。本来は、絶叫も禁じられていた。2時間半の本編は、淡々とトークをしていたが、ダブル・アンコールで弾けた。

 「またいつか、ドラムたたけるようになって、みんなに『Xジャンプ』してもらえるように!」

 場内の満員1万人ファンは、ペンライト2本で「X」の字を作り、歓声でこたえた。すると、感極まったYOSHIKIが「ウイアー!」と、3回連呼した。

 ライブは、開演予定から1時間10分ほど遅れてスタート。YOSHIKIは、手術を振り返り「今回、2回目の首の手術だったけど、毎回、遺書を書かされている」。遺書へ思いをつづる中で、TOSHIと東京へ出て、仲間に出会い、バンドを組んで活動を始めたころを強く思い出したと語った。

 今回のアコースティック形式でのツアー開催にあたっては、TOSHIと何度も相談。TOSHIも「YOSHIKIとはすごく話し合って、こういう形式でいこうってなった。最初は(公演が)できないかと思った」と語った。

 ステージ上では、YOSHIKIが「歩くのはリハビリにいいんだよ」とおどけながら、左右にウロウロ。TOSHIも、YOSHIKIに誘われ、2人でステージ上を歩き回り、ファンを笑わせた。

 終盤には、98年に急死したHIDEさんに向けて、YOSHIKIが作った「WITHOUT YOU」も披露。TOSHIの歌声とともにHIDEさんの映像が流れると、客席から「HIDE~っ!」との声が飛び交った。

 SUGIZOは、今回のライブ形式に「X JAPANの新しい道が始まった気がしませんか」と客席に投げかけ「こういうスタイルなら、70歳になってもやれる。新しい道が開けたと思います」と話した。

 X JAPANの日本公演は2都市6公演を予定し、17日の横浜アリーナがファイナル。