映画「幼な子われらに生まれ」(三島有紀子監督)が公開初日を迎え、再婚した夫婦を演じた浅野忠信(43)田中麗奈(37)らが都内で初日舞台あいさつを行った。

 血のつながらない家族や血のつながった他人、さまざまな関係の中で、不器用に幸せを求め生きる姿を描いた人間ドラマで、浅野は気弱なサラリーマンを演じた。個性的な役を多く演じてきたが、願ってもない役どころだったという。「事件を起こさず乗り切る役が少ない(笑い)。存分に注ぎ込める役。やる以外ないと思って引き受けました」と明かした。

 再婚相手役の田中は反対に、気の強い女性を演じることが多かったが、今回は夫に従う妻を演じた。元夫役の宮藤官九郎(47)との場面を自分の誕生日に撮影したといい、「殴ったり、蹴ったり、DVを受けたんですけど、誕生日プレゼントに刺激的なものをいただきました」と笑わせた。

 3人の娘は南沙良(15)鎌田らい樹(らいじゅ=14)新井美羽(10)が演じた。南は演技初挑戦。「不安とかいっぱいあったけど、監督が『相手からもらったものを形にして表現してお返しすれば、受け止めてくれるから大丈夫』と言われて、安心してお芝居することができました」。田中は南を「向き合う姿勢がまっすぐで、お芝居していてもドキッとすることもありましたし、私も刺激になりました」とたたえた。

 鎌田は「浅野さんとは本当のパパとして、楽しく撮影できました。アトラクションとか一緒に乗ったけど、素で楽しんでしまいました」。新井は「浅野さんと待ってる間に超能力ごっこをずっとやっていました。田中さんはご飯に連れて行ってくれて、女優さんに連れて行ってもらったのは初めてでうれしかったです」と笑った。

 「超能力ごっこ」とは、○×△3枚の札を用意し、浅野がその中から1枚を選んで隠し、浅野が新井に超能力を使って伝え、新井がそのカードを当てるゲームだという。