北野武監督(70)の新作映画「アウトレイジ 最終章」(10月7日公開)ジャパンプレミアが25日、東京・イイノホールで行われた。

 北野監督は「長続きさせれば出来た。最終章にしたのは、深作欣二監督の『仁義なき戦い』シリーズになってしまう。(役の上で)1度、死んだ人がまた出てくるわけにはいかない」と笑わせた。初小説「アナログ」の売れ行きも良く、「次は純愛映画を、と小説を書いたらまぐれ当たり。これをやって失敗して、もう1回失敗したら、またバイオレンス映画に戻ろうと画策している。また何年かたったら、日本の俳優を使ってオールスターで、とんでもないのを撮る」と明かした。

 西田敏行(69)は、頸椎(けいつい)亜脱臼と胆のう摘出手術を終えたタイミングでオファーを受けて撮影したこと、14年に脳出血で倒れた塩見三省(69)とともに、北野監督に支えられて撮影した感慨を振り返った。

 西田 感無量です。映画に出させていただいた時、頸椎(けいつい)を亜脱臼して、胆のうも取らなければいけなくなって4カ月、入院して、退院したての時にお話をいただいた。塩見君も脳出血で倒れ、障害を抱え、リハビリしながらの撮影となった。初日、みんなに抱えられながら撮影した喜び、北野監督に支えられて、お気遣いいただいて何とか(所属する設定の暴力団の)花菱会を盛り上げることができた。振り向く時、首、ほとんど回りませんので、体ごと回っていますので、そのあたりも楽しんでもらえたら。

 塩見は、左手を腰に当てながら立ち上がり、「前作に続いて、また仕事ができたこと、私にとっては最高の喜びであり、最高の時間でした。グッとくる映画です。よろしくお願いします」とあいさつした。

 「アウトレイジ 最終章」は、10年の「アウトレイジ」、12年の「-ビヨンド」に続くシリーズ3作目。かつて裏切られた関東最大の暴力団組織・山王会を、関西の雄・花菱会と組んで抗争を仕掛け、復讐を果たした大友(ビートたけし)は抗争後、韓国に渡り、日本と韓国を牛耳るフィクサー、張会長(金田時男)の元にいた。その中、花菱会幹部の花田(ピエール瀧)は取引でトラブルを起こし、張会長の手下を殺害。張グループと花菱会が一触即発の状況となる中、怒る大友は日本に戻る。

 この日は大森南朋(45)ピエール瀧(50)松重豊(54)大杉漣(65)白竜(64)名高達男(66)光石研(55)池内博之(40)金田時男(80)岸部一徳(70)が登壇した。【村上幸将】