大みそかのNHK紅白歌合戦の出場者が16日、東京・渋谷の同局で発表され、演歌歌手丘みどり(33)の初出場が決まった。

 第一声で、デビューした翌06年に、47歳の若さで亡くなった母早苗さんへの思いを口にした。「これで天国の母との約束をはたせました」。

 二人三脚で歩んできた早苗さんの看病のため、デビュー直後の大切な時期に、歌手活動が十分にできなかった。そのことを思い出しながら「紅白は大きすぎる夢でした。この日を迎えられてとってもうれしい。ファンの皆さんへの感謝の気持ちで精いっぱい歌います」と誓った。そして「これまでの人生で1番の1年です」と満面の笑みを見せた。

 デビュー10周年を迎えた後、仕事の幅を広げようと、活動拠点を東京に移した。2年目を迎えた今年は、テレビ出演70本、キャンペーン60本以上をこなして全国を飛び回ってきた。

 その成果もあり、2月発売の最新曲「佐渡の夕笛/雨の木屋町」が出荷8万枚を超えるヒット。最近ではタクシーの運転手にも声を掛けられるようになったという。

 6月に「佐渡の夕笛」を発表した縁で、デビュー曲「おけさ渡り鳥」の舞台でもある新潟・佐渡を訪問。「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として世界遺産登録を目指す佐渡金銀山遺跡を訪れて、パワーももらっていた。

 この時に、「紅白に出て、中継で『佐渡の皆さん、元気ですか?』と呼びかけたい」と誓っていた。

 今月3日には初の単独コンサートも実現。夢を1つ1つかなえてきた丘が、13年目の今年、大きな飛躍を遂げている。