野村沙知代さん(享年85)の死去を受け、夫の野村克也氏(82)が8日、心境を語った。都内の病院で最期をみとり、帰宅した自宅前で取材に応じた。夜には、再度、愛妻について語った。おしどり夫婦として知られた最愛のパートナーを失ったショックは隠せない様子だったが、最期の様子を「突然死のような感じ」と明かした。

 野村氏は午後7時すぎ、団野村氏(60)ら親族とともに都内の自宅へ戻った。ひげを生やし気落ちした様子で、いったんは家の中に入ったが玄関前に再び姿を見せ、対応した。さらに、午後10時20分にも、再度、遅れて到着した報道陣の取材に答えた。

 野村氏が昼すぎに起床したところ、沙知代さんがしんどそうに座っていて様子がおかしいと感じ、救急車を呼んだという。「昨日まで元気だった。健康に関して問題はなかった。ビックリしました。信じられないんですよね」。急な別れにも気丈に、状況を説明した。

 「そんな(亡くなるような)兆候は何もなかった。朝ご飯を出してもらって、ひと口しか食べられなかったと。そこからですね。返事がなかった。お医者さんに調べてもらっていますが、原因は分からない。我々の年になると…突然死のようなものだと思います」

 最期はみとれたのか、の問いには「一緒にいましたので」。話しかけても応答がなく、最後にかけた言葉は「大丈夫か?」だったという。

 おしどり夫婦として寄り添った歳月に感謝した。「40年以上になるけど病気をしたこともないですし…。男心を理解してくれて。かかあ天下の家族。年上でしたし、すべて奥さんがリードしてくれた。克則が生まれて太い絆ができ、円満にこれた」としみじみ。「人生ってあっけない。普通に元気だったのに」と寂しそうに結んだ。