助演男優賞受賞の役所広司(61)は「作品に出られただけで十分、幸せなんですけど、こんなにすばらしい賞をいただいた。映画においては、俳優の力は一部。下手な芝居を監督、共演者が上手にしてくれる。今回は本当にみんなに支えられて、ここまで来ることが出来た」と感謝した。

 受賞対象作となった「三度目の殺人」(是枝裕和監督)では、福山雅治演じる主人公の弁護士を翻弄(ほんろう)する殺人事件の被告人を演じた。「脚本は福山さんの目線。ほんろうさせる役なので注意した」と語った。

 一方、「関ケ原」(原田真人監督)では、岡田准一演じる石田三成と戦う徳川家康を演じた。「ちょっとエネルギッシュだったですけど…岡田君の石田三成との対比で脂ぎった嫌らしさも出せればいいと思った」と笑った。

 日刊スポーツ映画大賞では助演男優賞を受賞したが、24日放送の最終回が、平均視聴率20・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど人気を呼んだ、TBS系ドラマ「陸王」では、15年ぶりに連続ドラマに主演した。助演と主演との違いについて聞かれ「やっている時は一緒ですね。シーンを一生懸命やっているだけ」と語った。

 楯のプレゼンターとして登壇した前年受賞者の妻夫木聡は「僕にとって、勝手に思っているんですけど俳優界の父のような存在。超えられない山」と恐縮しつつ祝福。「三度目の殺人」で共演し、花束プレゼンターとして登壇した満島真之介は「実の父親と年齢が変わらない。こんなお父さんがいてくれたらなぁと思う。カメラの前と、後ろの役所さんの表情が違う。悪いことをしているんじゃないかなぁと」と言い、客席を笑わせた。