先日、エレファントカシマシのボーカル、宮本浩次をインタビューする機会に恵まれた。その直前、上司が「林家ペーさんが『宮本君はペー・パー子に続く赤羽のヒーローだ』と言っていたぞ」と教えてくれた。ペー・パー子も宮本も、東京・赤羽出身だったことをすぐに思い出した。

 インタビュー後、宮本にペーの言葉を伝えると、しばらく無言で頭を抱えた後、背筋を伸ばし、おもむろに言った。「本当ですか。林家ペーさんがですか。…。それはちょっと重いお言葉ですね。ペーさんとパー子さんは赤羽で、(地元の)みんなが大好きなんですよ。私、林家ペーさんにそんなことを言われるんでしたら、真に受けちゃうぐらい、リップサービスとしてもうれしいです。本当にありがとうございます」。

 宮本が頭を抱えた時はどうしたかと一瞬驚いたが、真剣な表情と力強い言葉から、本当に喜んでいることがじんわり伝わってきた。

 インタビュー中、どんな言葉に対しても、宮本は真剣に受け止め、返してくれた。確かにペーの言葉は地元の大先輩のありがたい言葉だとは思うが、まるでその場にペーがいるかのように、丁寧に選んだ言葉で感激と感謝を口にした。

 インタビュー後のちょっとしたやりとりにも、宮本の真剣でまっすぐな性格がにじみ出ていて、とても好感を持った。