秋元康氏プロデュースの「劇団4ドル50セント」が8日、旗揚げとなる「新しき国」初日公演を東京・紀伊国屋ホールで行った。

 秋元氏とエイベックスが立ち上げたプロジェクトで、昨年8月にお披露目。演技経験がほとんどない劇団員30人(男性10人、女性20人)が総出演し、新曲5曲を含むオリジナル9曲を披露したほか、全員で大縄跳びに挑戦したり、大雨のシーンでは、1トンの水を浴びながら歌い踊る演出を見せた。

 公演前に報道陣向けの会見と公開稽古が行われた。今回のメインキャスト8人は、YouTubeで課題を投稿し、視聴者投票も含めた公開オーディションで選出されたが、会見では悔し涙を流すメンバーもいた。CBCの連続ドラマ「こんなところに運命の人」にレギュラー出演が決まっている隅田杏花(21)は「悔しい気持ちもありましたが、自分の甘さも実感しました。次はいいポジションで出られるようにしたいです」。主演を務める糸原美波(21)も「誰が主役でもおかしくなかった」と話しつつ「責任を感じますが、改めてしっかりと演じたいと思います」と涙をぬぐった。

 先月9日から本格的にスタートした稽古では、秋元氏も駆けつけ「もっと味がほしい」とダメ出しされたという。糸原は「人としての味がまだまだ足りない。今年の課題は『味』です。1人1人の個性を味に出せるようにしたい」。最年長のうえきやサトシ(27)は「幕の内弁当みたいになります!」と意気込んでいた。

 同公演は12日まで同所で行われ、チケットは完売している。今後は舞台公演はもちろん、関係者によると音楽を中心としたライブツアーなどの構想もあるという。

 初日公演を見届けた秋元氏は「とても良かった。何より、何が何だか分からないのが良かった。みんなの熱量は伝わっていると思う。いろんな課題はあるけど、何かよく分からないものほど、エネルギーがある。今日からスタート。ずっと興味を持ってもあらうようにしなきゃいけない」とコメントした。