将棋の最年少プロ、藤井聡太六段(15)が快挙を達成した裏で、かつて「神武以来の天才」と言われた元棋士の加藤一二三九段(78)にも注目が集まっている。加藤九段はツイッターで「当時はメディアからの注目を集めることはなかった」と振り返った。

 藤井六段は17日、第11回朝日杯将棋オープンで優勝し、中学生として初めて棋戦優勝を果たす快挙を達成した。史上最年少となる15歳6カ月での棋戦優勝は、1955年(昭30)に加藤九段が達成した15歳10カ月の記録を63年ぶりに塗り替えた。また、今回の優勝で規定により段位が上がり、藤井六段は五段から六段に昇段。こちらも加藤九段の16歳3カ月を抜き、最年少記録となった。

 藤井六段の快挙達成で加藤一二三九段の記録にも光が当たったことで、ネット上では「藤井聡太六段が破った記録がことごとく加藤一二三九段のもので、加藤九段のものすごさを改めて知った」という声が多く上がっている。これに対し加藤九段はツイッターで「史上最速・ノンストップでA級八段への階段を駆け上っていた当時、私がメディアからの注目を集める事はほとんどありませんでした」と述懐。そのうえで「そういう意味では藤井聡太さんという超新星の登場により、かつての私の記録に光を当てていただける事は大変にありがたいことと感謝しております」と藤井六段に対する感謝をつづった。

 なお、藤井六段は16年10月に史上最年少14歳2カ月でプロ入り。デビュー戦では、それまでのプロ最年少記録(14歳7カ月)を保持していた加藤一二三九段を破っている。