演歌歌手山口ひろみ(42)が20日、東京・築地の日刊スポーツ新聞社を訪れ、14日に発売した新曲「紅の雨」をアピールした。

 5月からデビュー17年目に入る山口は、コブシを回して高音を張る元気な曲が持ち味。ところが、新曲では「コブシを1回しか回していないし、キーも下げて歌っている」。曲調も流れるように穏やかだ。「演歌でもない、歌謡曲でもない、その中間を目指しているからです」と説明する。

 歌っていて物足りなくないか? と聞いてみると「最初は自分もどうかな…と思ったけれど、発売以来、お客さまの反応がすごくいい。好評なんです」。師匠の北島三郎(81)も曲を聞いて「これ、いいんじゃない!」と太鼓判を押しているという。「新ジャンルへの挑戦です」。

 曲の舞台が修善寺温泉という縁から、YouTubeの映像の冒頭には入浴シーンがある。「これも反響がいいんです」と話す。CDのジャケット写真も、これまでに発売したCD15枚は、笑顔や「決め顔」が多かったが、妖艶な色っぽい表情にした。「エロッぽいと言われます」。その影響か、最近のイベントでは「若い男性が増えた」という。ファン層が拡大していることをヒシヒシと実感している。

 大阪出身だが、東日本大震災の前年に宮城県女川町を舞台にした曲を歌った関係から、以来、毎年現地を訪問している。「親戚みたいな人がすごく増えた」といい、昨年には初代の女川町観光大使に任命された。「今年は4月に行きたいと思っています。震災のことは忘れちゃいけない。風化させてはいけないと思います」と話した。