女優吉永小百合(72)が20日、東京・丸の内TOEIで行われた120本目の映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、3月10日公開)公開記念イベントの冒頭で、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スピードスケート女子500メートルで、スピードスケート日本女子初の金メダルを獲得した、小平奈緒(31=相沢病院)の滑りを正座してテレビ観戦したと明かした。

 吉永 平昌五輪が、とっても盛り上がっていますよね。おうちでテレビで(五輪を)見たかったところ、こちらに来ていただき、本当にうれしいです。一昨日、小平奈緒選手のスケートを正座して拝見しました。もう、素晴らしかったですよね。2年間、オランダで武者修行をして、その成果を発揮されました。あの姿を見ていると(「北の桜守」の)公開まであと18日ですけど、頑張るぞと思いました。今日は気合を入れて、桜の模様のブレザーを着てきました。少し恥ずかしいです。

 吉永は「私はアスリート」と語るほど運動を愛好し、現在も水泳を中心に日々、トレーニングを続けている。「北の桜守」、「北の零年」(行定勲監督、06年)と並ぶ「北の3部作」の1つとして12年に公開された「北のカナリアたち」(阪本順治監督)では、酷寒の北海道・礼文島での撮影中に、ジョギングやシャドーボクシングで体温を保ったほど、身体能力の高さに定評がある。スポーツ観戦も好きで、プロ野球の西武ライオンズやラグビーの熱烈なファンとして知られるが、平昌五輪も、しっかりチェックしていたようだ。

 吉永は現在、映画の宣伝キャンペーンで全国を回っている。1月頭に広島、富山、姫路には共演の佐藤浩市(57)と回ったが、佐藤が食事中に13年に亡くなった父の三国連太郎さんのことを語ったと明かした。「(佐藤が)三国さんのお話を、懐かしそうにしてくださいました。息子さんも俳優におなりになったし、俳優の血を受け継いでいかれるって、素敵だなぁと、しみじみ思いました」と、17年に俳優デビューした佐藤の長男・寛一郎(21)にも触れつつ、感慨深げに語った。

 また劇中で演じる主人公江連てつの名前「てつ」は、自身の祖母の名から取ったと明かした。当初は「●●子」という名前だったが、脚本担当の那須真知子氏に依頼して変更してもらったという。吉永は「(てつは)祖母の名前なんですね。19歳まで一緒に住んでいて、おにぎりを握って撮影所に送り出してくれた、優しいおばあちゃん。ちょっと優しすぎて、だんなさんに翻弄(ほんろう)された、ちょっとかわいそうな人生だったと思う。『私、こんなに元気にやってるのよ』という気持ちで、てつにしました」と、目に涙を浮かべながら語った。