落語家の桂春蝶(43)が、貧困問題に関する発言で炎上した騒動について、自身の考えをあらためて主張した。

 春蝶は2月20日にツイッターで「世界中が憧れるこの日本で『貧困問題』などを曰(のたま)う方々はよほど強欲か、世の中にウケたいだけ。この国では、どうしたって生きていける。働けないなら生活保護もある。わが貧困を政府のせいにしてる暇があるなら、どうかまともな一歩を踏み出して欲しい。この国での貧困は絶対的に『自分のせい』なのだ」と発言し、物議をかもした。

 春蝶は1日放送のフジテレビ系「バイキング」に出演。ツイッターでの発言について「もし私が『自分“だけ”のせい』なのだというふうに言っていたとしたら、すぐに撤回して謝罪していると思います」と前置きした上で、「この国では『100%、社会のせい』という貧困と、『100%、政治の責任』という貧困というのは、ないと思っている」との考えを述べた。

 自身は貧困の定義を「飢え」と「寒さ」だとし、「だけどこの国では生活保護がある以上、絶対にその飢えと寒さを感じさせないようなシステムがある」と説明。否定派による「生活保護を受けられない人も多いから、国の責任を問うのは当然なのでは」という反論については、「不正受給の問題というのがとても多い」とした。

 一方、国際弁護士の清原博氏は、先進国における日本の福祉制度について「セーフティーネットとしては日本は充実していない方だと言われている」とし、春蝶の主張には「誤解があるんじゃないか」と指摘。「日本の貧困の問題は格差の問題なんですよ」と、非正規などの雇用形態や男女による収入の格差について説明した。

 これに対し、春蝶は生活保護制度による支給金額などを詳細に説明し、貧困に苦しむ人に対する十分なサポートがあると主張。そうしたことをツイッターでは説明不足だったとして「未熟だった」と反省したが、「その人たちにもこの国にはきちんと制度がある。そういう方々にすぐ働けとは言わないですが、まずはその貧しさは自分のせいでもあるっていうことを思っていただくところからスタートを切りませんかっていうことを言いたかった」と、あらためて問題提起した。