女優藤原紀香(46)が4日、都内で、映画「一陽来復 Life Goes On」(尹美亜監督)公開記念舞台あいさつに出席した。

 同作は、東日本大震災から6年後の岩手・宮城・福島を舞台に手探りで前進する人々を追ったドキュメンタリー作品で、藤原はナレーションを担当している。

 MCから字幕が出るまで藤原のナレーションだと気付かなかったと言われると「分からなかったと言われるとうれしいです」とほほ笑んだ。「ナレーションを読んでいるといろんなことが心に突き刺さってきて、感情が入りすぎてしまうシーンもありました。気をつけたのは東北の方に思いを寄せて、どうやったら(見ている人に)伝わるだろうというところです」と話した。

 「女川小学校の生徒の1人が桜を書きましたが、黄色なんです。なんでと聞いたら『黄色は希望の色でしょう』と言われて、その言葉が忘れられないんです」とエピソードを披露し、「この映画にもたくさんの希望があります。東北の方のやさしさ、笑顔、希望、その経験からくる言葉がきっとみなさんの心に刺さると思います。どうかその思いを多くの方に伝えてください」と強く訴えた。

 藤原を起用した尹監督は、「藤原さんは報道に出ないところでも実際に足を運んでいて、行く先々で『紀香さん、来てくれたんです』と言われました。そんな藤原さんの言葉で伝えてくれるのはうれしいし、被災者の方も藤原さんがやってくれるということでとてもよろこんでくれました。意識しなくても心にしみるナレーションだと思います」と語った。

 最後に藤原は胸元からペンダントを取り出すと、その由来を紹介した。「石巻の木工作家さんが作ったもので、すべてがれきなんです。あの日流されてきたがれきですが、人々がすんでいた証し。そのがれきが再生されて人々の元に届けられています。絶対に忘れてはいけないことです」と語った。