元NHKの有働由美子アナウンサー(49)が、10月から日本テレビ系報道番組「NEWS ZERO」(月~木曜午後11時、金曜午後11時30分)のメインキャスターを務めることが、6日、同局から発表された。

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 現場で取材する有働アナは、いきいきしていた。スポーツキャスターだった00年前後、毎週のようにグラウンドで見かけた。監督や選手の懐に積極的に飛び込み、西武伊東捕手とはキャンプ宿舎まで10キロの道のりを走り、つけまつげを落とした。ドジャースのクラブハウスに大量のカレーパンを差し入れ、野茂に恐縮された。巨人長嶋監督には「私、阪神ファンです」と素直に告白した。調子に乗って、両手を組み人さし指を立てる「カンチョーポーズ」である選手の背後に迫った。「さすがにNHKだから…」と忠告すると、ちゃめっ気たっぷりの笑顔でやめた。取材を通じて知り合った星野仙一さんを、兄のように慕い、よき相談相手だった。

 ほぼ独学の英語を頼りに渡った米国総局で、現場志向を強めた。円形脱毛症になるほどの激務で体も痛めた。帰国後に人知れず、婦人科系に通院したと、自著「ウドウロク」に記されている。40歳目前で仕事を最優先にしてきた人生に、迷いが生じたが、「あさイチ」は「理想の番組になった」という。

 NHKへの恩義は誰より強く、退社後もNHK中心の活動だとみられたが、テレビ、ラジオと積極的に民放に進出している。私が出演する情報番組で、退社のニュースを扱うことを連絡するメールに、激励もこめて星野さんがよく口にした「迷った時は前に出ろ!」と書いた。返信には「星野さん、そうだね」とあった。

 退社を決めたのは昨年末。直後、星野さんが亡くなった。星野さんの教えも、有働アナをさらに前へと歩ませたのだろう。ましてや、「ZERO」は星野さんが楽天監督就任までスペシャルコメンテーターを務めていた。行動力とちゃめっ気に義理と人情。民放ではどんなキャスター像を築くのだろうか。【文化社会部長・久我悟】