落語家桂かい枝(49)と落語作家の小佐田定雄氏(66)が13日、大阪市内で演じ手のいなくなった演目を掘り起こす落語会「発掘カイシ! その5」(7月12日、天満天神繁昌亭)の会見を行った。

 現代に伝わる幻の古典落語の題名だけを頼りに小佐田氏が台本を書き、かい枝が演じる第5弾。最終回となる今回は江戸時代後期の興業ビラから発見された「七福神冨貴蔵入(ひちふくじんふうきのくらいり)」を復活させる。約200年ぶりの“復活”となる。

 かい枝は「昔からたくさんの人が落語をつくってきた。消えていったものは山のようにある。米朝師匠は埋もれてしまった落語を『古墳落語』と呼ばれていた。それを掘り起こして復活させる試みをやらしてもらった。上方の落語家も増え、新たな演目をどんどん発掘していきたい」と意気込んだ。

 小佐田氏は復活させる演目について「タイトルから掘り起こした。たぶん、こんなはなしやったのではないかと。だれも見たことがない」と話し「七福神にちなんだ人物が登場する。冨貴はお金のこと、蔵入なので蔵がある。蔵がからんでお金が動く」と盗賊ものに仕立てたという。

 幻の古典落語を復活させる「発掘作業」の第1期はひとまず終了。第2期も予定している。