映画「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督(34)が、同作で助監督を務めた中泉裕矢氏(39)スチールを担当した浅沼直也氏(34)と共同監督&脚本を務めた新作映画が19年夏、公開されることが明らかになった。8日に配給のアスミック・エースが発表した。

新作映画のタイトルは未定だが、撮影は18年にわずか9日間で終了し、編集などのポストプロダクション(ポスプロ)が行われている。キャストやストーリーなど詳細はベールに包まれたままで、判明しているのは作品のカギを握る重要なキーワード「三角関係」、「復讐(ふくしゅう)」、「カメ」の3つのみ。わずか300万円で製作され、都内2館で公開後“ネタバレ厳禁”の言葉がインターネット上で飛び交って火が付き、全国375館での拡大公開、224万人動員、興行収入31億円突破と社会的なムーブメントを巻き起こした「カメ止め」の再現なるか、注目だ。

中泉氏は、「カメ止め」初のスピンオフとしてインターネットテレビ局AbemaTVで放送されたドラマ「カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦!」の監督を務めた。映画監督としては11年の「円罪」で監督デビューし、14年の「母との旅」「エンドロールを撮りに」が国内の映画祭で評価された。2日には最新作「君がまた走り出すとき」が公開されたばかりだ。

浅沼氏は「冬が燃えたら」が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017で短編部門最優秀作品賞を受賞した。3人は15年のオムニバス映画「4/猫 ねこぶんのよん」で各話の監督を担当した間柄で、息の合った共同監督ぶりに期待が高まる。

公開日とともに解禁されたビジュアルには、ガラス製とみられる透明な洗面器の中にいる、カメが映っている。「カメ止め」に続くのは「カメ」とも取れる写真が意味するものは…。「カメ止め」が8日に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」でテレビ初放送され、「カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦!」(中泉裕矢監督)もAbemaTVで同日午後11時10分、9日午後10時に放送される中、カメ止めクリエイター3人が手がけた謎の多い新作は、ファンの間で話題が沸騰しそうだ。

新作は、埼玉県川口市に2003年にオープンした、映像関連産業を核とした次世代産業の導入・集積を図るSKIPシティの中核施設「彩の国ビジュアルプラザ」の支援を受けて製作された。