テレビ朝日系「おっさんずラブ」が「第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の作品賞を受賞した。

「主演男優」「助演男優」「助演女優」の合わせて4冠。貴島彩理プロデューサー(29)は「作品賞をいただけたのはひとえにキャストのおかげ」と感謝し、「キャスト個人に贈られた賞があるということをうれしく思います」と喜んだ。

現場作りについて聞くと「私自身が何も出来ないので、全力でみんなを頼っていた」と率直に語る。スタッフが積極的にアイデアを提案できる環境だった。

「私も(監督の)瑠東さんも(田中)圭さんもいじられキャラ。グイッと引っぱるよりも、スタッフが『仕方ないな』と助けてくれるところが大きかった。それが結果として仲間意識を生んだのかも知れません」

深夜単発ドラマから連ドラ、そして8月に映画が公開される。「奇跡が起こり続けているなと(笑い)。連ドラが終わって『映画をやりたいね』と言っていたことが現実になっていくのは、すごくうれしいこと」と話す。ドラマ制作者なら誰もがうらやむ成功ぶりだが、初回視聴率は2・9%と振るわなかった。主演の田中には「次、数字が上がらなかったら役者を辞めるから」と励まされ、会社にも「続けていれば報われるのでは」と温かく見守られた。「おかげで頑張れました。言ってしまえば最後まで数字はよくなかったですけど(笑い)、それも含めて『おっさんずラブ』らしいのかなと思います」。【遠藤尚子】