宝塚歌劇団の宙組ホープ鷹翔千空(たかと・ちあき)が7日、兵庫・宝塚大劇場で、宙組「オーシャンズ11」新人公演に臨み、2度目の主演を務めた。

令和最初の新人公演。175センチの長身を生かして、スタイリッシュな詐欺師を好演。若手には難しいスーツも達者に着こなした鷹翔だったが、あいさつでは何度もかみ、「気持ちが空回りしました」と照れながら反省した。

鷹翔は、今春5年目に入った101期の首席入団。昨年春の「天(そら)は赤い河のほとり」以来、1年余ぶりの主演だった。歌、ダンス、芝居と3拍子がバランスよくそろい、将来を嘱望されるスター候補生は、本役の真風からの助言を胸に難役に臨んだ。

「ミュージカルなので、ナンバーにすごく気持ちがあふれるから、『きっちり歌に気持ちをあふれさせて、歌と芝居にならない(別れない)ように』と言ってもらいました」

真風からの言葉を演技にこめ、銀橋でも堂々としたスーツでの立ち姿を披露し、ナンバーにも情感をこめて届けた。だが…それゆえか、最後のあいさつは、何度もかみ、空回り気味。鷹翔は「ギリギリまで(いい舞台にしようと)あきらめないで、ダニー・オーシャンとして舞台に生きて…熱い思いが…」と苦笑いしながら、反省した。

今後は6月27日に東京宝塚劇場での新人公演を控え、鷹翔は「芝居のキャラクターにはそれぞれの時間が流れている。そこを意識して、もっと濃い新人公演にしたい」と誓った。

相手役は、まだ3年目ながら、2度目の新人ヒロインとなった夢白あやが務め「おけいこ場では何度も壁にぶつかり、たくさんの課題が見つかった」。本役ヒロインのトップ娘役、星風まどかからは「細かいところへの意識も、アドバイスいただいた」と明かし、この日の自己評価は「決して、すべてはできなかった」。東京公演に向けて「立ち姿から、役になりきれるように、努力したい」と話していた。