人気アニメ「マクロス Δ(デルタ)」に登場する戦術音楽ユニット・ワルキューレの歌声が、マクロスの歴史を新時代につないだ。「SANKYO Presents MACROSS CROSSOVER LIVE 2019」が1、2日、千葉・幕張メッセで行われ、合わせて約2万6000人の観客を動員した。

飯島真理やMay’nら、1982年(昭57)から続くマクロスシリーズを沸かせた人気メンバーに続き、ワルキューレも登場。完全新作の劇場版タイトルも発表され、ライブは空前の盛り上がりを見せた。

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ステージの終盤に「ウエルカム・トゥ・ワルキューレ・ワールド~」という歌声が響くと、観客席から大きな歓声が沸き起こった。同時にファンが手にするペンライトに紫、赤、黄、緑、ピンクと、各メンバーの色がともり、場内は急にカラフルになった。2013年以来6年ぶりのマクロスクロスオーバーライブ。16年から活動するワルキューレにとっては初めて、歴代のマクロスの歌い手たちと共にする晴れ舞台だった。

新しい衣装に身をつつんだワルキューレは1曲目から「恋! ハレイションTHE WAR」「一度だけの恋なら」と続け、場内を熱狂させた。出番を待つ間は、控室で諸先輩のステージを見ていたという。マキナΔ西田望見が「クロスオーバーライブということで先輩たちから元気をもらえました」と言うと、フレイアΔ鈴木みのりは「ジャンプしながら見ていたんだよね」と、舞台裏でもライブを楽しんでいた様子を披露した。

重大発表もあった。4曲目の「破滅の純情」を終えた後、リーダーのカナメΔ安野希世乃が、完全新作での制作が発表されている「劇場版マクロスΔ」について切り出した。「クロスオーバーライブ2日目の今日はタイトルを発表しちゃいます」。大声援がとどろく中、5人で「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」と声をそろえた。

ただ、フレイアΔ鈴木みのりが「!が何で6個? ワルキューレは5人なのに…」と言い出し、急きょステージ下にいる河森正治監督に答えてもらう異例の状況になった。場内スクリーンに映し出された河森監督が「見てのお楽しみです」と笑顔で答えると、メンバーたちも「楽しみですね」と大いに盛り上がっていた。

ステージの最後は「マクロスが100年続きますよう応援お願いいたします」と締めくくった。昭和に始まったマクロスは、平成の世を駆け抜けて令和を迎えた。ワルキューレが、マクロスを次世代につないでいく。