フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビジョン、それぞれの次期社長に内定した金光修専務(64)と遠藤龍之介専務(63)が7日、都内で、そろって就任予定会見を開いた。

金光専務は「子供の頃からテレビばっかり見て育った。特にフジテレビばかり見て育ったので、フジテレビに入りたいと思った。だが、私が卒業する時に、一般社員の募集がなくて他の会社に入った。ある日、フジテレビの競馬中継を見ていたら、中途採用を募集していて、運良く合格した」と自己紹介した。「イベント、開発企画などを経て編成の仕事についた。90年代は、深夜の番組で好き放題していた」と自己紹介した。

FMHの社長として「会社の経営も、本質は企画だと思っている。視聴構造の変化にどう対応していくか。フジテレビの遠藤次期社長とは、勝手知ったる同僚。タッグを組んでやっていく」と話した。

遠藤専務は「2003年から広報をやっておりました。ご承知のように、このようなことになりました。1981年の入社以来、数々の仕事をやりました。入社以来、10回以上人事異動を経験した。たくさんの職場から求められたのか、たくさんお職場から求められなかったのか、今となっては分からないですが、後者でないことを祈ります。近年では社長補佐という役目で、社長という役目については、それなりに見てきましたが、見ると実際にやるのでは違うと思う」と話した。

低迷するフジテレビの社長としては「私のミッションは視聴率上げて、業績を上げることに尽きると思います。幸いにして、この2年間、宮内社長の下、増益を続け、視聴率も回復してきた。まず始めなくちゃいけないのは、改革。一般に成功した会社が陥りやすいのは、慢心と保守性。それにメスを入れて行かなくてはいけない。かつて時代の心みたいなものを、きちんとつかんでいた我々が、長寿番組を次々と打ち切らなくてはならなくなった。新しい形を作るべきトライ&エラーを重ねて、形になってきた。金光社長とは、昭和のフジテレビの編成でご一緒した。腹蔵なく話し合うことができる。テレビは今を映すメディアですが、作り手の視点は少し先を見なくてはならない。それを、さらに発展させていく」と話した。

金光専務はネット展開について「同時配信を含む通信にどう対処していくかは、重大な経営課題。着々と準備を進めている。FMHを作って10年。認定持ち株会社。フジテレビの割合は40%以上。利益は3割なので、フジテレビの利益配分をもっと上げていくことが課題だと思っている」と話した。

テレビマンとして印象に残る作品を聞かれると、遠藤専務は「編成時代は2時間ドラマや時代劇を担当した。京都で人間国宝のような方と仕事をさせていただいた。『銭形平次』とかスペシャルな作品をやらせていただいた」。金光専務は「テレビの番組はいろいろあるんですが、最近では(映画)『翔んでさいたま』とかが印象深い」と話した。

芥川賞作家の遠藤周作氏の長男の遠藤専務は、好きな本について「著者は忘れたんですが『沈黙』という小説です」と、周作氏の作品を挙げてボケた。理由を聞かれると「映画を見て、マーティン・スコセッシ(監督)が素晴らしかったからです」と話した。

26日の株主総会、取締役会を経て、正式に決定する。