尾上菊之助(42)が8日、東京・新橋演舞場で上演中の新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」の昼の部で、左ひじの一部を亀裂骨折し、夜の部を休演、公演中止になった。9日公演には復帰し、昼夜とも通常通り上演する。

主人公ナウシカを演じる菊之助は3幕目の終盤で、トリウマという大型鳥類のキャラクターに乗って花道から引っ込もうとしていた。トリウマの中に入っている別の役者がつまずいたため、菊之助は上半身から転落したという。

直後に予定していた菊之助の宙乗りで同幕が終わるところだったが、中止となった。共演の中村七之助(36)が素顔で舞台に登場し「今日はここで終了です。この先はお客さまがご想像してください」と告げたという。

菊之助は同日夜、松竹を通じ「本日夜の部を楽しみにご来場してくださったお客様には、急きょ公演中止になってしまい、大変もうし訳ございませんでした。けがの具合は幸い、大事には至っておらず、お医者様をはじめとした皆様と慎重にご相談させていただいた結果、明日より舞台に復帰させていただけることになりました。この後も、出演者、スタッフ、一丸となってより良い舞台となるよう、千秋楽まで全力で取り組んで参りますので、引き続き、ご声援のほど、なにとぞよろしくお願いいたします」とコメントした。

スタジオジブリ作品の歌舞伎化は同作が初。公演は25日までで、全日程、チケットは完売している。