NHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜午前8時)で十代田(そよだ)八郎役を演じる俳優でシンガー・ソングライターの松下洸平(こうへい、32)が14日、滋賀県甲賀市で開催された同ドラマのトークイベントに出席した。

イベントには約600人が参加。制作統括の内田ゆきプロデューサーも出席し、松下の大抜てきには「4年間の空白」があったことを明かした。

「ええの見つけたでしょ!」。内田氏が会場に詰めかけた松下ファンに呼びかけた。戸田恵梨香(31)が扮(ふん)するヒロイン・喜美子の恋人役。素朴ながらも熱い演技に女性ファンが急増中だ。舞台を中心に活動していた31歳はこれまで、ほぼ無名に近い存在だった。

抜てき理由について内田氏は「最初、お願いするときはあまりにもフレッシュすぎて、大丈夫か、大丈夫じゃないのかみたいな感じでした。出番が増えて、本当に温かいお声をいただいた。期待以上です」と話し、続けて「4年間の空白」について語った。

「4年ほど前に、ある俳優さんが出演している舞台を見に行った。その舞台でメインの役の1人を松下さんがやっていた。なんか、いい若者がいる。強い印象が残った。4年間、声もかけず、あたためていた」

女優として豊富なキャリアを持つヒロイン・戸田と対等な立場で話ができ、新鮮さがある同年齢の俳優を探していた。「4年前の、あの方はどうしているのだろう…。もう1回、会いたい」。

これまで朝ドラのオーディションを何度も受けたが、結果は出せなかった松下は、自身にこう言い聞かせていたという。「舞台で一生懸命に力をつけて、いいお芝居ができる俳優になって再チャレンジしたい」。

22歳の初舞台から10年。強い思いと偶然が重なり、朝ドラデビューを果たした。