お笑いコンビ、Gパンパンダの星野光樹(27)をビデオ電話取材する機会があった。

星野は国家3大資格の1つで、会計系最高峰の公認会計士と税理士免許を持つインテリ芸人だ。「星野光樹会計士事務所」を構えており、新型コロナウイルスの影響で仕事が激減し、経済的に苦しむ100人以上の芸人仲間の相談に乗っていた。「芸人は『今月の家賃どうしよう』みたいな人も多いのでライブなどが激減している今は本当に深刻です」と語っていた。

個人事業主にあたる芸人には持続化給付金制度を勧めているという。「ざっくりいうと、これからも事業を続ける人で、今回、昨年のある月と今年のある月の売り上げを比べて50%以上減った人が対象の補償制度です」。個人なら上限は100万円、中小事業主なら上限200万円が支給される。19年の確定申告書と身分証明書、その事業での19年の打ち上げ台帳、口座情報があればオンラインで申請でき、確定申告の種類にもよるが、昨年のある月の売り上げ(あるいは売り上げの1カ月平均)と、今月のある月の差額×12カ月分が支給されるという(上限100万円)。月の売り上げの詳細をデータで記録していない場合も「国もそこは優しくて手書きで良いんです。お小遣い帳のように、『◯◯さんと◯日に取引きした』みたいに書けばよい」と説明してくれた。

会計士らしく、豊富な知識で、個人事業主以外のさまざまな対策例を解説してくれた。

取材したのは緊急事態宣言の真っ最中。その期間、多くの芸人の相談に乗っていたそうだが、星野自身の不安はないのか聞いた。

星野は「不安ありますね。1番の不安はライブハウスなどの状況です。ぼくら若手は新宿とか下北沢とかの劇場でネタをたくさんやって磨いていかないといけない世代。東京からお笑いライブというものが消えてしまう可能性がある」。

東京都では休業要請緩和のロードマップが敷かれている。徐々に営業再開に向けて動き始めている劇場もあるが、「劇場を運営されている方は固定費のコストがかかる。再開しても客の入場を制限したりするので採算がつかないでしょうし…」。

コロナ前は月に25~30本のライブに出演していたという。「お客さんの反応をみてネタを改善していきます。レベルアップに不可欠なんです」とライブの重要性を説く。

「お客さんの笑い声を聞いて本当に幸せなんだなって思います。早くお世話になった劇場でライブに出たいですね」としみじみ語っていた。