女優の立石涼子(たていし・りょうこ)さんが2日午前4時52分、肺がんのため都内の病院で亡くなった。68歳だった。遺族の意向により、葬儀は近親者で行う予定。

立石さんは昨年9月に体調を崩し、肺がんと判明した。手術や投薬治療を重ね、本人も仕事復帰に意欲を燃やし、今年4月にはコロナ禍で中止となったリーディング公演「ポルノグラフィ」に出演を予定していた。しかし、6月ごろから容体が悪化し、この日早朝、静かに息を引き取った。

立石さんは文学座研究所を経て、1976年から2014年まで演劇集団円に所属し、15年から芸能事務所「シス・カンパニー」に移って、数多くの舞台、映画、ドラマで活躍した。「欲望という名の電車」「三人姉妹」など蜷川幸雄演出作品の常連で、04年には紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞した。最後の舞台は19年の三浦春馬さん主演「罪と罰」だった。ドラマでは「北の国から」「3年B組金八先生」などに出演した。