宮城県気仙沼市と登米市を舞台に来春スタートするNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」のロケ取材会が9月30日、登米市内で行われた。女優清原果耶(18)がヒロイン永浦百音(ももね)の配役決定後初めてお披露目され「このドラマを見て宮城をもっと好きになってもらえるように、頑張って撮影しようと思っています」と意気込んだ。同28日から登米市内で撮影が始まり、両市内で11月中旬ごろまで続く予定だ。

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「おかえりモネ」は「海の町」気仙沼で生まれ育ち、「森の町」登米で青春を送る百音が、気象予報という天気に向き合う仕事に出会い、人々に幸せな未来を届けていく物語だ。清原は朝ドラの主役に決まり「すごくうれしかったです」と等身大の自分で作品づくりに挑む。

清原 「あさが来た(連続テレビ小説、15年9月~16年4月)」が女優としての初めての仕事でした。あのころから私も年を取って、時間がたち、21年放送の「おかえりモネ」でヒロインを務めさせていただくのは本当にご縁を感じます。

百音は大学受験にことごとく失敗し、14年春の高校卒業と同時に故郷気仙沼を離れ、内陸の登米に1人移住。将来を模索しながら林業や山岳ガイドの仕事を始める。清原が「同い年」から受ける刺激は大きい。

清原 私は女優という仕事をさせてもらっていますが、百音は森林組合で地に足をつけて頑張っている女の子。自分がやるべきこと、やらなければいけないことを日々探しながら生きています。そういう姿に私自身も励まされますし、百音を脚本以上に魅力的にお伝えするにはどうしたらいいかを日々考えています。

百音の人生に転機が訪れる。ある日、東京から人気お天気キャスターが来県。一緒に山を歩き「天気予報は未来を予測できる世界」と教えられ、深く感銘を受ける。「自分も未来を知ることができたら」と一念発起し、気象予報士の資格取得へ猛勉強。合格率わずか5%で、なかなか合格できず、くじけそうになるが、地元の人たちに支えられ、ついに難関を突破する。

民間の気象予報会社就職のため上京し、この仕事を通じて漁業、農業、小売業、インフラ、スポーツ…と日々の天候次第で人の人生が大きく左右されることを実感。数年後の19年、一人前の気象予報士になった百音は、これまでに得た知識と技術を生かし、故郷の役に立てないかと思い、家族や友人が待つ気仙沼へ向かう決意をする。

清原 台本をいただいてからずっと心に持っているのは、朝に流れるドラマですので、明るい雰囲気で、見てくださってる方の心をちょっと温められたり、勇気づけられたりとか優しいドラマをしっかり作っていきたいです。

11年の東日本大震災から10年の節目に宮城が舞台の朝ドラが放送される。

清原 宮城に住んでいる人々の話なので、私もこういう言い回しをする、こういう行動をしてしまうとか、共感できるところを探しながら見てほしいです。

宮城から全国の朝を明るく照らす。【山田愛斗】

<「おかえりモネ」の主な出演者>

◆内野聖陽(永浦耕治=百音の父)

◆鈴木京香(永浦亜哉子=百音の母)

◆蒔田彩珠(永浦未知=百音の妹)

◆藤竜也(永浦龍己=百音の祖父)

◆竹下景子(永浦雅代=百音の祖母と語り)

◆夏木マリ(新田サヤカ=豪快な登米の「姫」)

◆坂口健太郎(菅波光太朗=若手医師)

◆浜野謙太(佐々木翔洋=森林組合のユニーク課長)

◆でんでん(川久保博史=森林組合のご意見番)

◆西島秀俊(朝岡覚=百音を気象予報の世界に導く)