女優水野美紀(46)主演のフジテレビ系「実録ドラマ 3つの取調室~埼玉愛犬家連続殺人事件~」が4日午後8時から放送される。

93年に埼玉県で愛犬家ら4人が相次ぎ殺害された「埼玉愛犬家連続殺人事件」をもとにドラマ化。ペットショップを経営する関根元(げん)元死刑囚と元妻・風間博子死刑囚が逮捕され、09年に死刑判決が確定している。その後、関根元死刑囚は獄中で病死。風間死刑囚は現在も東京拘置所に収監されているが、殺人への関与を否定し、再審請求を続けている。

このたび、風間博子死刑囚の長男(41)が初めてテレビの取材に応じ、事件について、そして現在も東京拘置所に収監されている母への思いを告白した。ドラマとともにインタビューを放送する。

現在の41歳の長男が95年1月、留学先のアメリカに向けて出発する日に、風間死刑囚と関根元死刑囚は逮捕された。15歳だった長男は、何も知らないまま成田空港からアメリカへ飛び立った。「アメリカに無事に着いて、ちゃんと着いたよって(母親に)連絡しようとしたら誰も(電話に)出なくて。仲の良かった友達に連絡したら『お前の母親が逮捕されてニュースすごいよ』と教えられました」と振り返っている。

そして「今だから思うことですが、自分が(関根元死刑囚に)殺されてもおかしくなかった。ずっと母に守られていた」。さらに人目を避けてアメリカから帰国、素性を隠して生きてきた日々、そして結婚などの半生を明かす。

風間死刑囚は、死刑判決が確定後も殺人への関与を否定し、再審請求を続けている。長男は今も面会や手紙でのやりとりを続けている。インタビューが行われた前日にも、東京拘置所に面会に訪れたという。その時、風間死刑囚は「うれしそうにしていた」という。

長男は被害者に対しては謝罪の言葉を述べた上で、「100%はっきり自分も分かるわけじゃないので、間違っているとはっきりとは言えないけれど、もし(捜査や裁判で)間違っていることがあるとしたら、ちゃんと調べ直して、ちゃんとした刑を出してほしい。それでも母がやっているということがはっきりしたら、しょうがないと思う」と複雑な胸中を語った。

また、共犯者として逮捕され実刑判決を受けた男性が番組の取材に応じた。逮捕から25年の時を経て「関根(元死刑囚)は今までに見たことがない人だ。考え方が凶暴だった。犯行を手伝わないと、嫌な顔をすると関根に殺されるから、自分もそうなっちゃうから。逃げられないのは見えない鋼鉄の檻(おり)の中に入れられていたから」と当時の状況を告白した。

物語は、84年に埼玉県で3人の男女が姿を消す事件が発生した。埼玉県警熊谷中央署の新人刑事・藤波詩織(水野美紀)らが捜査を進めると、行方不明となった3人がある共通の人物とトラブルになっていたことが判明する。その人物とは関根元(鶴見辰吾)。関根は「アフリカケンネル」というペットショップを経営し、外国犬の繁殖・販売を行っていたが、詐欺的な商法で多額の収入を得ているといううわさもあった。詩織らは徹底的に捜査を行ったが、失踪した3人の行方はつかめず、関根の犯行を裏付ける証拠もつかめないまま捜査は打ち切られてしまう。

93年4月。関根に関わった人物が姿を消す事件が再び発生する。今回も事件を担当することになった詩織。行方不明となったのは、39歳の愛犬家の男性。関根との間で外国犬の利殖ビジネスを巡り金銭トラブルがあったという。詩織らは、関根と元妻の風間博子(内山理名)、そしてブリーダー仲間の中岡洋介(内田朝陽)を徹底的に調べる。そうした中、関根の周辺では次々に行方不明者が。警察は中岡の自供から、関根と風間を逮捕。事件は解決したかに見えたが、関根と風間、そして中岡の供述が完全に食い違っていた。