先日、次期NHK連続テレビ小説「おちょやん」(30日スタート、月~土曜午前8時)の第1週の試写会に参加した。

女優の道を生き抜き「大阪のお母さん」と呼ばれた、女優浪花千栄子さんをモデルにした女性の物語だ。主演は杉咲花(23)。大阪のど真ん中を舞台にした、笑って、泣けて、人情あふれる、波瀾(はらん)万丈の物語というのがキャッチコピーだが、第1週をみた限りでは、そのコピーも納得がいく作品だなと感じた。

杉咲が本格登場するのは3週目からだが、それまで主人公を演じるのは子役の毎田暖乃(まいだ・のの=9)。約500人のオーディションの中から「この子しかいない」とスタッフの全員一致で選ばれたという。桜井壮一チーフプロデューサーも「相手のお芝居を見てちゃんと自分の演技ができる子はなかなかいない」と絶賛する逸材だが、その表現は決してオーバーではない。

1週目は、暖乃ちゃんの存在感だけで構成されている感じだ。

舞台は大阪の南河内。ということで、セリフはやや乱暴だが、その河内弁が素晴らしい。父親役のトータス松本をののしりながら、足蹴(あしげ)にするシーンはまさにお見事といったところだ。

脚本は「半沢直樹」の八津弘幸氏。セリフの切れが抜群なのはいうまでもないが、ところどころに盛り込まれる、心に染みるセリフも朝のビタミン剤になっている。【竹村章】