演歌歌手小金沢昇司容疑者(62)が、酒を飲んで車を運転したとして道交法違反(酒気帯び運転)容疑で警視庁高井戸署に逮捕されていたことが29日、関係者への取材で分かった。容疑について「間違いありません」と認めているという。同署では飲酒の状況や、現場を走行していた理由などを調べている。

小金沢容疑者は28日、1人で車を運転し、東京都杉並区の環状7号(通称環7)を走行。その際、同日昼ごろ、トラックに追突したという。現場に駆けつけた警察官が同容疑者の呼気検査をしたところ、基準値の1リットルあたり0・15ミリグラムをやや上回るアルコールが検出された。けが人はなかったという。今日30日にも送検される見込み。検察側が勾留請求しなければ早い段階で釈放される可能性もある。

突然の逮捕に周囲は対応に追われた。関係者によるとレギュラーラジオ番組「小金沢くんの波乗り歌謡曲」をこの日放送予定だった西日本放送、山口放送、栃木放送などは放送の取りやめを決定。栃木放送は局公式サイトで休止と別番組差し替えを発表した。同局によると次週以降の放送は週明けにも協議するという。

また今月14日収録、12月12日放送予定のBS朝日「人生、歌がある」は出演シーンをどうするかなどの対応を協議中。同19日の生放送は出演キャンセルする。同22日収録予定だったBSテレ東「演歌の花道」も出演キャンセルが決まったという。所属事務所は29日夜、報道各社にファクスでコメントし「深くお詫び申し上げます」と謝罪。「現在、詳細な、あるいは正確な情報がなく、弁護士に依頼して情報を収集しているところ」とした。

小金沢容疑者は北島三郎の付き人をへて88年に「おまえさがして」でデビュー。92年のど薬のCMに「歌手の小金沢くん」として出演しブレーク。「ありがとう…感謝」「北の三代目」などの代表曲があり、14年北島音楽事務所から独立し、18年には歌手生活30周年を迎えていた。

◆飲酒運転は、<1>呼気アルコール濃度で判別する「酒気帯び運転」と<2>客観的に見た酔い具合で判別する「酒酔い運転」の2通りに分かれる。<1>は呼気アルコール濃度が1リットルあたり0・15ミリグラム以上の時に該当し、一般的にビール中びん1本程度以上の飲酒量。<2>はまっすぐ歩けないなど運転困難と思われる状態の際などに該当する(呼気アルコール濃度は問わない)。