来年1月の歌舞伎座公演「壽初春大歌舞伎」が29日、都内で発表された。

松本幸四郎(47)は「売店が開いて、幕あいも楽しめるのが本当の開幕。今は上演だけで、そういう意味ではまだまだこれから」。市川猿之助(45)は「8月の再開時は確かにお祭り感があったけど、今は第3波でやはり非常時の上演という感覚がありますね」とそれぞれに複雑な心境を明かした。

幸四郎が演じるのは「菅原伝授手習鑑 車引」。父・白鴎(78)長男・染五郎(15)とは昨年6月以来の共演となる。「3人で同じ演目をまたできるのは幸せな限りです。日ごろ感情を表に出さない染五郎もうれしそうにけいこしています」と笑顔を見せた。

市川猿之助(45)は曽祖父の2代目猿之助が初演した「悪太郎」でユーモアあふれる舞踊を披露する。「曽祖父に当てて書かれたもので、それは志村けんさんの舞台みたいなもの。曽祖父がそこに立ってこそ100%笑える。そこには行き着けないけど、僕なりのものをお見せしたい」と意気込みを語った。