37年連続43回目の出場となった石川さゆりが「天城越え」を歌唱した。

リハーサルを終え「毎年こうやって出場させていただいて、幸せに思っております」と感謝の言葉を口にした。

続けて「いろんな日がありました。今年は誰1人として、こんな日が続くなんてことは想像しなかったと思います。こんな時こそ歌、エンターテインメントで皆様を楽しませたい」と意気込み、「みんなで乗り越えて来年はいい年にするぞ」。

今年は映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が絶大なヒットを遂げた。「日本人がこれだけアニメに心を動かされ感動したというのは『みんなで鬼退治するんだ』という、そういう思いがあるんだろうな」と、しみじみ人気の鍵を解析した。今回のステージは「鬼滅の刃」の音楽を担当した作曲家椎名豪(46)とタッグを組んだ。「この世界中の、日本中の悪いものをやつけて思いっきり来年に超えていこうじゃないか。そんな音楽を作ろう」との思いを掲げたといい、「(そういった思いが)伝わればいいな」と願いを込めた。

また、23日亡くなった作詞家で直木賞作家の、なかにし礼さんについて、「風の盆恋歌」を手掛けてもらったこともあり「あまりにも歌謡曲の大きな時代を作った先生で、私にもたくさんの言葉をくださった方なので…」と話し、「その穴の大きさはこれからより大きくなってくんだなと思います。でもこの平成元年に『風の盆恋歌』を歌ってこの紅白歌合戦で大トリを務めさせていただいて、その時も、なかにし礼さんも喜んでくださって、なんかこう、ついこの間のように思います。でもごめんなさい。こんな話になると涙が出てしまうので…」と目に涙をためながら悼んだ。