元E-girlsで女優の山口乃々華(22)が、エッセー「ののペディア 心の記憶」(幻冬舎)を明日4日に発売する。女性誌「GINGER」ウェブで昨年末までの連載を文庫化。このほど、初の著書について日刊スポーツの取材に応じ、「書くことのススメ」を語った。

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19年3月から始まった「ののペディア」は、「あ」から五十音順に、「あ」は「歩く」、「い」は「今」など「今、心に留まっているキーワード」を設定してさまざまな思いをつづってきた。

「いつか本にできたら最高だよねということは、スタッフさんたちとも話をしていました。自分の心や頭の中、思春期を生きた時間を書き留められて、しかもこうして紙として手にとってもらえることが、すごくうれしいです。同じような悩みも感じてもらえると思うので、“あなたの宝物”としても、大切にしてもらえたらうれしいです」

文庫化にあたっては、昨年末で解散したE-girlsについて「E」の項目として書きおろし、活動中の葛藤やグループへの思いを明かした。

「私の『心の記憶』の中には必ずE-girlsがいて、全ての根本にあるので、今回書かせていただきました」

元々は18~20歳の頃に、グループの各メンバーが日々感じたことを「日記」のような形でスタッフとやりとりしていたことが「書く」きっかけだったという。

「書けないし、良いことばかりも言えないし、なんでこんなことで悩んでるんだろう? ということは言えなかったりして…(苦笑い)。嫌になった時期もあったんですけど、そのおかげで自分の気持ちを文章にすることだったり、本を読むようになったりもしたんです。以前、HIROさんが『面倒くさいなと思うこともやってると何かしら力になるよ』っておっしゃっていた意味を、やっと実感しました」

「ののペディア」として連載を持つようになり、多感な時期だからこそ抱く感情や悩みをつづる中で、書くことで自分を見つめ直すことができたという。

「気持ちの中では『つらい』という塊も、違うことからアプローチするとゆっくりほどけていって…。“心の掃除”ができるんです。人と話すことで解決できることもあると思うんですけど、少しでも本音が言えない瞬間とか、こういうことを言ったら傷つくかもしれないと思って言わなかったりすることが出てきてしまうので…。自分とじっくり向き合う時は、書いて自分だけの世界でしゃべっている方が楽だったりもしますよね」

高校教師という姉からは、なかなか夢を見つけられない、目がキラキラしていない学生も多いという相談も受けるという。同世代はもちろん、若い世代にも「書く」ことを薦める。

「私にもそういう時期がありました。でも、例えばおいしいご飯のことでもいいし、パン屋さんのにおいが好きとか、何でもいいので、何かを書くことで自分がときめくものを見つけられたりもするので、おすすめです!」

今後は女優としての新たな挑戦も待っているという。これまで同様、ダンスや演技を通じて表現しながら、これからも思いを書き続ける。【大友陽平】

◆山口乃々華(やまぐち・ののか)1998年(平10)3月8日、埼玉県生まれ。11年の「VOCAL BATTLE AUDITION3」で選出され、12年からE-girlsのパフォーマーに。13年に女優デビューし、昨年は映画「私がモテてどうすんだ」でヒロイン役。19年3月~昨年12月まで「GINGER」ウェブで「ののペディア」を連載。趣味・特技はヨガ、料理。160センチ。血液型A。