歌舞伎俳優市川猿之助(45)V6三宅健(41)らが9日、都内で、舞台「藪原検校」(10日初日、東京・PARCO劇場)の取材会に出席した。

同作は、江戸時代の中期の塩釜(現在宮城県塩釜市)が舞台。父譲りの曲がった性根と母譲りの醜さをもった希代の悪党の一代記だ。日本を代表する劇作家・故井上ひさしさんの傑作舞台で、今回は、気鋭の若手演出家・杉原邦生が演出を手がける。

主人公の悪党、杉の市こと二代目藪原検校を演じる猿之助は「無事に何とか初日を迎えられるようなので後はひたすら千秋楽を迎えられるように祈るばかりです」。

杉の市とは異なり、清廉博識の座頭・塙保己市など6役を演じる三宅は猿之助について「本当にチャーミングな方で毎日毎日笑いが絶えない」と語り、「健ちゃん猿ちゃんと呼び合っています。犬猿の仲です」と笑わせた。

これには猿之助も「健ちゃんに遊んでもらっています。退屈な稽古場を楽しくしてくれる」といたずらな笑みを浮かべた。

三宅は「本当に子どもみたいな人なんです。僕も自分で子どもだなって思うんですけど、僕が小学校4年生なら、(猿之助は)小学2年生。『圧倒的な芸を持つ小2』」と評して仲の良さをうかがわせた。

今回は、渋谷という街や、猿之助の歌舞伎の技術と傑作舞台が融合する。三宅は「猿之助さんファンの方は楽しくて楽しくてしょうがないんじゃないんかな。ぼくのファンの方も猿之助さんのとりこになっちゃうんじゃないですかね」と予想した。

松雪泰子(48)と川平慈英(58)も出席。

ヒロインお市役を務める松雪は「愛人役は初めてかもしれないです。情念をたくさん出して行けたら」と意気込み、登場から1度も舞台からはけないという難役を務める川平も「すごいチャレンジのお仕事を頂けた」と目を輝かせ「一瞬一瞬、目からうろこでセンセーショナル。すごい勉強になる。いろんなアイデアを頂いて楽しかった」と猿之助らとの稽古を振り返った。