元SKE48でタレントの矢方美紀(28)が11日、大阪市内で、オンライン講演会「前を向いて一歩ずつ。~AYA世代のがんを知ろう~」を行った。矢方は18年4月、乳がんによる左乳房全摘出とリンパ節切除手術を公表。

大阪府のがん検診受診率は全国最低レベル。さらに新型コロナウイルスの影響で、府のがん検診受診者数は大幅に減少。そこでアフラック、第一生命、府が共同でオンライン講演会を実施し、矢方が登壇。矢方は「コロナで難しいが『もしかしたら、このタイミングが今自分のそのときなのかも』と行動に移して、自分の体と向き合ってもらったら」と呼びかけた。

矢方はフリーアナウンサーの小林麻央さんが17年に乳がんで亡くなったことから、自身も乳がんについて考えるようになった。初めてセルフチェックをした際、左胸に石のようなしこりがあったという。

18年1月中旬に結果が出て「乳がんステージ1」と告げられた。再度の精密検査で、リンパにも転移し、がんも進行。「落ち込んで泣いて、お風呂で排水溝に向かって叫んだ」というが、将来を考えて手術を決意。手術後は「ステージ3A」まで進行していたことが判明した。現在は3カ月に1回通院。ホルモン療法を行い、あと7年継続する。

仕事は名古屋を中心に声優やタレントとして活動。「治療のときも声優の目標に向かって、乗り越えなきゃという思いでした。自分の中で大きく成長できる3年間でした」と振り返った。声優の仕事では、東海エリア発オリジナルアニメ「シキザクラ」への出演が決まっており「0のものから1ができていくって過程を、自分は病気を経験しながらも変わらず経験できているっていうのは、1人の人間として頑張っていかなきゃと思う」と意気込んだ。

SKE48には7年半所属し、チームSのリーダーを務めた。「48ってすごいみんな健康で。それが自分が一番大きい病気になっちゃって」。乳がんを患った矢方を心配した現役メンバーから連絡があったり、「関心を持てるきっかけになった」という声もあったと明かした。