政府は1日の新型コロナウイルス対策本部で、大阪・兵庫・宮城に緊急事態宣言に準じる措置を取る「まん延防止等重点措置」を適用すると決めた。期間は4月5日から大型連休を挟む5月5日までの1カ月間。感染の第4波は1府2県だけでなく、確実に全国に広がっている。

3月29日は、新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなった国民的なコメディアン志村けんさん(70)の一周忌だった。「志村さんが亡くなった」という衝撃からもう1年と思う半面、変異しながらまだ続くウイルスの猛威に、あらためて言いようのない恐ろしさを感じる。

一時期、テレビの歌番組や旅番組などで、つい確認してしまうことがあった。「マスク」である。音楽番組の場合、歌手の歌唱から観客席に映像が移った時、観客がマスクをつけていなければ「コロナ禍以前の収録」と分かる。歌手と司会者や、演奏者の間にアクリル板が置かれていれば、最近の番組である。無観客は言うに及ばず。

旅番組やグルメ番組などでも、出演者やお店の従業員がマスクやフェースシールドをしていなければ「再放送」。居酒屋などお店を紹介する番組の再放送では、「現在、営業を休止しています」というテロップが流れることすらある。

最近はもう慣れて、そうした「確認」をしなくなった。コロナ禍が長引けば長引くほど「再放送」が多くなるのは仕方ない。感染予防対策をしながらの収録の大変さは容易に想像できる。音楽番組だと、例えば「美空ひばり、秘蔵映像でつづる3時間」とか「昭和のヒット曲大全集」など、自社が持つ過去映像で番組を作れる。ただそればかりというわけにもいかない。

いわゆる「まん防」の適用が今後拡大すれば、経済はもちろん、エンターテインメントの世界にもさらなる影響が出る。そうならないことを願うのみである。【笹森文彦】