水谷豊(68)の映画監督作第3弾「太陽とボレロ」(22年公開)の製作が決まった。

14日、製作と配給の東映が発表した。ある地方都市の市民交響楽団を舞台に、音楽を愛する人々と音楽の素晴らしさを描いていく人間ドラマで、世界的な指揮者として知られる西本智実氏(50)が、自身初となる映画音楽監督を務める。水谷は「西本さんと出会ったことにより、より深いクラシックの世界の人間ドラマを描くことができたと思います。そして、話をしていく中で、映画音楽の指揮演奏に加え、なんと音楽監督も引き受けて頂けることになりました。運命のように出会えて、お仕事をご一緒できることに、今、とてもうれしく興奮しています」とコメントした。

水谷は脚本制作の段階から、本物のオーケストラの魅力を映画に取り込みたいと構想していたという。一方、西本氏はバチカン国際音楽祭に13年以来毎年、招待されるなど自身が創設したイルミナートフィルハーモニーオーケストラでの音楽活動、米ホワイトハウスから2度招待されるなど、グローバルで多様な活動を行ってきた。並行して20年には慶大SFC研究所に上席所員として受け入れられ、書籍出版やメディア出演、行政と組んでのプロジェクトなど精力的に取り組んできた。

その西本氏のコンサートを、水谷が訪れたことで2人は出会った。クラシックの世界について話を交わすうちに、水谷が、作中で奏でられる「ボレロ」の指揮演奏をオファー。作品のテーマと水谷の思いに共鳴した西本氏は快諾し、自身初となる映画音楽監督をも引き受けた。同時にイルミナートフィルハーモニーオーケストラが演奏に参加することも決定した。

西本氏は「『熱中時代』の北野広大先生は、実際、私自身の人生に影響を与えてくださった先生でもありました。このようなリクエストをいただき、人生には思いがけない不思議なご縁というものがあるんだなとつくづく思います」と、当たり役の1つを挙げて水谷へのリスペクトの思いを口にした。その上で「劇中の楽曲は、映画のタイトルである『太陽とボレロ』から、同じリズムで貫く強い繋がりをラベル作曲『ボレロ』で、その他は背景のディテールと共通する楽曲を幾つか提案し、話し合いの中、クラシック作品を選曲しました。これから作曲していく音楽もありますので、水谷さんの世界に耳を澄ませていきたいと思います」と劇中音楽について語った。

水谷は初監督作の17年「TAP-THE LAST SHOW-」で夢見る若者の青春群像とショービジネスの光と影を、脚本も手掛けた19年の「轢き逃げ 最高の最悪な日」では、不幸な事故があらわにする人間の心の奥底を描いた。「太陽とボレロ」では、オーケストラを舞台にした人間ドラマを洒脱(しゃだつ)エンターテインメント作品として描くことを目指す。「ヨーロッパなど多くの国々ではクラシックを生活の一部のように楽しんでいます。この映画も西本さんとともに『クラシックを楽しめる映画』にしたいと思っています」と、西本氏へのリスペクトを口にした。

撮影は21年5月から6月まで長野ロケ、都内ロケを敢行。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、事前のPCR検査の徹底など、現場内での感染症対策に万全を期して撮影に臨む。