黒沢明監督の映画「影武者」(80年)や「乱」(85年)に出演した俳優隆大介(りゅう・だいすけ)さん(本名・張明男=ちょう・あきお)が11日に頭蓋内出血のため亡くなっていたことが23日、分かった。64歳。東京都出身。葬儀は親しい知人と事務所スタッフで済ませた。

所属事務所によると、隆さんは今月9日と10日は仕事をしていたが、12日の打ち合わせを無断欠席。「連絡なく仕事を休むような人ではない」ため、翌13日に事務所スタッフが警察官の立ち会いのもと施錠された部屋に入ると、ベッドの上で亡くなっている隆さんを発見した。

遺作は今秋公開予定の映画「信虎」。撮影は19年に終えていたが、コロナ禍で公開延期になっていた。

隆さんは1975年に仲代達矢が主宰する「無名塾」に入塾。78年に「オイデップス王」で初舞台を踏んだ。80年に「影武者」で映像デビュー。同年にブルーリボン賞新人賞、83年にエランドール新人賞、95年に全国映画連盟男優賞を受賞した。