俳優成田凌(27)主演の映画「くれなずめ」(松居大悟監督)の公開記念舞台あいさつが15日、都内で行われた。先月29日に公開予定が緊急事態宣言発令で延期され、今月12日に公開された。

物語は友人の結婚式に参加するため、高校時代の“帰宅部”仲間のアラサー男子が5年ぶりに集まる。かつて文化祭で披露した赤いフンドシ一丁のダンスを披露するが、盛大に滑りまくる。やがて、5年前に突然死んだ仲間の話題になる。題名の「くれなずめ」は、日が暮れそうで暮れない「暮れなずむ」を命令形にしたもの。なかなか前に進むことができない青春の日々の葛藤を描いた。16年の映画「アズミ・ハルコは行方不明」などで知られる松居監督の高校時代の友人との出来事がモチーフになっている。

延期を経ての公開に成田は「うれしいですね。とても不安でした。どういう風に公開されて、どのように皆さんに届くのか。人に会うと『いつ公開されるの』と聞かれて、昨日も聞かれました。なかなか(公開されたことが)届きにくいなと思う。みなさん、よろしくお願いします」と話した。

高良健吾(33)は「延期と聞いた時は、いつ公開されるかと思ったけど、すぐに公開日が決まってうれしいです。今回ほどSNSやろうかなと思ったことがないです。僕向いていないから、やらない方のままがいいんですけどね」と振り返った。

若葉竜也(31)は「(当時は)延期した方がいいと思いました。強行突破するより、心に余裕があって見る方がいい。(延期期間中は)粛々としていました」。藤原季節(28)は「うれしかったけど、まだ公開できない作品もあるので、手放しで喜べなかった。だけど、だんだんじわじわと実感してきました」。目次立樹(35)は「弟から『家族で見に行ったよ』と、地元島根のきれいな夕焼けの映像が送られてきました。身近な人から、そういう声が届くとうれしいですね」と話した。

松居監督は「今日という日を迎えられて、本当に本当にうれしいです。4月29日から5月12日まで、どうしていいかと、僕らも暮れなずんでいました。(公開できることが)あたりまえじゃない。すごく感謝しています」と話した。

6月には上海国際映画祭、8月にはカナダのファンタジア国際映画祭への参加が決まっている。成田は「楽しみですね。日本の高校生活とか、結婚式とかどういう風に見られるのか」と笑顔を見せた。