西田敏行(73)が22日、東京・丸の内TOEIで行われた吉永小百合(76)の主演映画「いのちの停車場」(成島出監督)公開記念舞台あいさつで「齢70を超えた人間の発言を述べたいと思います。本当に生ききる…見事に自分の死を、ちゃんと自然死の中で迎えられる方は本当に幸せだと思います」などと死生観を語った。

西田は劇中で、主演の吉永小百合(75)が演じる医師の白石咲和子が、石川県の実家へ戻って在宅医療を行う「まほろば診療所」の院長・仙川徹を演じた。「ミャンマーにしたって、国軍…自分の同朋(どうほう)から鉄砲に打たれて亡くなる。戦争においては原爆で亡くなった方もいらっしゃる。消されちゃった感じの亡くなり方ですね。この間の震災では、津波にのみ込まれた命たち…自然死を迎える、生きることは幸せだと感じます」と語った。

その上で「私も、幸せな死に方をなんとか模索して、幸せな死に方を、どうやって自分の中で受け入れられるのか、というと、吉永さんもおっしゃるとおり生ききること、自分に与えられたことを一生懸命やっていくことしか、手がなさそうだと思っております」と語った。

西田は「死ぬということを、ごく日常的に常々、考える年齢になりましたので、どう命をたたむか…毎日、毎日、思っているというか、考えているというか」と日々、死について考えていると明かした。その上で「夜、寝る前に必ず1回は明日、死んでいたらどうしようかなと考えます。そんな人生…何か、幸せだなと思います」と語った。

西田が語り終わると、場内から拍手が起こった。