劇団四季ミュージカル「アナと雪の女王」(6月24日開幕、四季劇場「春」)のけいこ場取材会が29日、横浜市の四季芸術センターで行われた。

大ヒット映画のミュージカル版として18年に米ブロードウェーで初演された話題作。この日は、戴冠式の朝、アナが心躍らせて「生まれて初めて」を歌うシーンや、エルサが戴冠式を終えるまでのシーン、エルサが魔法の力を解放し「ありのままで」を歌い上げるナンバーなどが披露された。

エルサ役の岡本瑞恵がソロの「ありのままで」を歌いきると、演出の海外スタッフ勢、出演者、劇団関係者らけいこ場中から盛大な拍手が起こった。感極まって何度も飛び上がり涙する岡本に、アナ役の町島智子ら共演者が一斉に駆け寄って抱きつき、圧巻のパフォーマンスをたたえる輪ができた。

会見した岡本は「あの瞬間を楽しむことができました」と笑顔。演出のエイドリアン・サープル氏から「板の上では楽しむことを大切に」と言われていたとし「初めて『楽しめた』と思えた。この瞬間を大切にしながら本番に向けおけいこしたい」。

エルサ役に選ばれたのは昨年1月。「これから頑張るぞ、と思ったところでコロナが起きて、延期がどんどん延びて、この気持ちはどこに持っていったらいいんだろうと思っていた時期もあります」と語るとみるみる涙。「言いようのない不安がありましたが、私たちは待つしかなかった。海外スタッフの皆さんの努力に感謝します」。また「エルサのポジティブさ、前向きなところ、頑張る姿を深掘りして、開幕の時には愛がお客さんに届くようにと思っています」と語った。

アナ役の町島智子は「こういう大役はやったことがなくて、いろんなオーディションで悔しい思いをしてきたので、感謝の気持ちでいっぱい」と涙ぐんだ。マスコミ初披露を「楽しかったです!」と笑顔で振り返り、「見どころは全部ですが、特に姉妹のきずなや愛をお届けしたい」と話した。

演出のサープル氏は「キャストのみんなを誇りに思う。今、ハッピーな状態です」。振り付けのチャーリー・ウィリアムズ氏も「今までで最も美しい公演になると思う」と自信をみせた。会見にはエルサ役の三井莉穂、アナ役の三平果歩も登壇。三井は「コロナ禍の今だからこそ見てほしい作品。少しでも心がラクになれば」。三平は「氷が溶ける瞬間に感動が生まれると思う」と語った。