5人組トランスポップロックバンド「エナツの祟り」が20日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催したワンマンライブの「July and 夏(ジュリアナ)を取り戻せ!!」で、ビートたけしに名付けられた元々のバンド名「ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り)」に戻すと発表した。

エナツの祟りは、リーダーでドラムの江夏亜祐(35)が、ボーカルの蕪木蓮、ベースの矢島銀太郎(34)と組んだ前身のバンド「亜tra鵺Wolf Rayet Stars」(アヤトラウルフライエスターズ)に、パフォーマーの翌桧ダンク冬雪(33)と佐川ネル秋吉(29)が加入し現体制となった。そして、15年にBSフジ「たけしの等々力ベース」で放送された企画「現在売れていないバンド・芸人の名前をビートたけしが改名させ、売れるようにする」で、ビートたけしから命名された「ジュリアナの祟り」に改名した。

その後、平成最後の日となった19年4月3日のカウントダウンライブで、無期限の活動休止を発表していたが、令和へ時代が移り変わった同5月1日午前0時を回った瞬間、全く同じコンセプト、メンバー、楽曲で新バンドを結成し「エナツの祟り」と命名。令和で最初に結成し、最速の0秒でワンマンライブを行ったバンドとして“再始動”していた。

バンド名を、ジュリアナの祟りに戻す決断をした背景には、コロナ禍がある。コロナ禍が悪化し、1度目の緊急事態宣言下にあった20年5月1日に、YouTubeライブで結成1周年記念無観客ライブを配信した。その中で、ポリカーボネート(PC)製で練習、番組収録、レコーディング、無観客生配信などでの使用を想定した、感染拡大防止を企図した「飛沫(ひまつ)防止パネルBOX」の開発を始めたことを発表した。テレビ各局をはじめ、複数メディアで取り上げられ、話題となった。

その一方で、同6月20日に予定していたワンマンライブは1年の延期を余儀なくされた。ワンマンライブのタイトル通りに、バンド名を戻したことについて、江夏は「ビートたけしさんに付けていただいたジュリアナの祟りという名前で、インディーズからメジャーデビューまでメンバーとともにに苦労しながらもファンの皆様とスタッフに支えられながら頑張りぬくことが出来た。その愛着ある名前に今戻す事で、コロナ禍で困難な時代をみんなと一緒に乗り越えていきたい」と意気込んだ。

「ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り)」は歴史上、著名な人物の子孫が組んだバンドとしても知られている。江夏は江戸前すしの考案者・華屋与兵衛の子孫で、蕪木も日本史に残る国政の改革「大化の改新」の中心人物の1人として知られる中臣鎌足、後の藤原鎌足の子孫で、現役の神主でもある。

ライブでは、バンド名を元に戻すことと併せて「ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り)」として22年1月まで開催するライブスケジュールが発表された。ライブシリーズのタイトルも「July and 夏をやり直そうか!」となった。