乃木坂46松村沙友理(28)の卒業コンサートが6月22、23日に2日間開催された。グループ屈指のプロデュース力を存分に発揮した内容だった。

「私がやりたいことを詰め込んで、私が言ったこと全部形にしてもらった」というライブは、異例の2部構成で行われた。前半は、自らが率いるユニット「さゆりんご軍団」の単独ライブ。卒業生まで集合し、松村が制作した既存楽曲の替え歌や、オリジナルの振り付けを披露した。

後半は、乃木坂46のメンバーたちが集合したいわゆる「卒業ライブ」。松村にゆかりのあるシングルやユニット曲などを次々と披露した。さらに、スケジュールの関係などで初日公演しか出演できなかった伊藤理々杏(18)や中村麗乃(19)らには、それぞれの個性に合わせた“見せ場”となる特別演出や企画を用意。先輩としての粋な計らいで盛り上げた。

同期の生田絵梨花(24)からも「アイデアマン」と言われるように、松村の発想力と発信力はメンバーやスタッフからも買われている。7年前に「さゆりんご軍団」結成を提案したのもほかならぬ松村自身だ。「軍団員」として加入した後輩メンバーたちの新たな一面を開拓していく機会を創出した。秋元真夏(27)や若月佑美(27)も軍団を作り、乃木坂46の新たな文化となった。

関係者は「具体的なアイデアをどんどん積極的に提案するタイプ。単に『ユニットを作りたい』というだけではなく、時には『こういうイベントがしたい』『こういう衣装で、こういう曲を歌いたい』と言って、自作の資料を使って説明していた」と明かした。

明るいキャラクターの松村だが、人見知りでもある。特に、最も後輩の4期生とは、直接話す場面は多くはなかったようだ。「卒業するまでに、4期の子たちとも1人ずつ話したいんです。でも、なかなか自分からは話し掛けられなくて…」と漏らしていた。

プロデュース力に優れる松村なら、後輩1人1人に、さらにアイドルとして輝くための適切なアドバイスもできるはず。7月13日の卒業が迫る中、卒業コンサートも終わり、関わる機会も限られているかもしれないが、10年間活動したレジェンドアイデアマンの“金言”は、後輩たちにとって貴重な財産になるはずだ。【横山慧】