今年4月に心不全で亡くなった田村正和さん(享年77)のおいで、田村亮(75)の長男の俳優田村幸士(44)が主演する舞台「沙也可~海峡を越えた愛~」が8日、東京・渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールで初日を迎えた。

開演前に取材に応じた田村は、正和さんについて「役者として本当に素晴らしい。唯一無二の役者だと感じています。亡くなって再放送されたものなど、あらためて作品を見るとすごいなと感じました」と話した。

祖父は時代劇のスーパースターだった「阪妻」こと阪東妻三郎、その子で田村高広、正和、亮の「田村3兄弟」の亮の息子として育った。「祖父が作ったと京都の東映太秦の撮影所で、父と伯父と同じタイミングで仕事をしたことがある。別々の撮影でしたが、3代も血がつながることが役者としてうれしかった」と振り返った。

「沙也可-」は劇作家倉科遼氏(71)が製作総指揮・原作・脚本を担当。400年以上前、豊臣秀吉の朝鮮出兵に従軍した雑賀孫六(田村幸士)が離脱して、現地の娘・金美姫(夕貴まお)と結ばれ、朝鮮人・沙也可となって戦う愛の物語。他に西村真士、賀集利樹、佐野圭亮、斎藤裕亮、上久保慶子、白須慶子ら。12日まで。