松坂桃李(32)が23日、東京・新宿ピカデリーで行われた、映画「空白」(吉田恵輔監督)初日舞台あいさつで、主演の古田新太(55)から本番の撮影後の、飲みの席への付き合いが悪かったと指摘され「古田さんとのシーンは、カロリーの消費量が高い。とてもじゃないですけど、飲みに行く気力が湧かない」と苦笑した。

松坂は劇中で、スーパー店長の青柳直人を演じた。古田演じる漁師・添田充の中学生の娘花音(伊東蒼)が、スーパーで万引しようとしたところを見つけ、追いかける最中、花音が車にひかれて死亡し、そのことで、添田に激しく追及されて追い込まれる役どころだ。

撮影は1年半ほど前に行われた。緊急事態宣言発出直前だった上「ものすごいとげとげしいシーンの連続だったので、その反動で終わったら、すぐ飲みに行こうという感じだった」(古田)と、俳優、スタッフは撮影後は連日、飲んでいたという。

松坂は、古田から「役作りをする人なので、あまり仲良くしちゃいけないって」と突っ込まれると「疲弊しきって『お疲れさまでした』と言って、ホテルに帰っていた。なぜ、監督含め皆さんが飲みに行けるのか、僕は不思議でしょうがなかった」と苦笑した。

松坂演じる青柳にとって、古田演じる添田と同じくらい劇中で圧迫をかけられたのが、苦境の中、応援したいと迫ってくる、寺島しのぶ(48)演じるスーパーの店員・草加部麻子の存在だった。寺島が「こんなおばさんがいたら、絶対に嫌だよねという、おばさんが集結している。でも、とっても必死。店長を助けてあげたいために、ちょっと触ってみたり」と苦笑するほどのキャラクターで、そのためか、松坂は古田同様、寺島とも距離を取っていたという。寺島は「ダラダラした撮影だと、私も疲弊して桃李君に嫌われちゃったと思うかも知れないけれど、吉田組は『カット、はい終わり』と気持ちいいので、切り替えられる」と笑いながら振り返った。

添田と草加部が、劇中で激しくぶつかり合うシーンがある。古田が「楽しかったよね。ゴジラVSコングだから。その間に人間(松坂)が入ってくるわけだから、そりゃあ、大変だよ」と笑いながら言い放つと、松坂は「そうですねぇ…その日は、もう本当に(撮影が)終わって、すぐ帰りたかったです」と苦笑した。