橋幸夫(78)が4日、都内で記者会見し、23年5月3日の80歳の誕生日をもって歌手を引退することを表明した。

昭和を代表する歌手の会見とあって数多くの報道陣が詰め掛けた。橋は「昨年からのコロナが原因だと思う。歌う場がなくなり、喉の筋力が衰えて、ある音程に行くと声がガラガラするようになった。専門の病院で元に戻るか難しいと言われた。僕は自分をごまかしたりするのは性格的に合わない」と、節目となる80歳での引退を決意した。御三家として活躍した舟木一夫(76)と西郷輝彦(74)に、引退の話はしていないという。

芸能界引退ではなく「俳優業はオファーがあったら受けます。時代劇なんかはやりたいなと思う。寿命がある限り、命を大切にして、新しい夢に向かって行きたい」と話した。書やスプレーアートも積極的にやりたいという。

12月から「人生は長いようであっというま 夢を持って生きよう!」と題したコンサートをスタートさせる。80歳の誕生日がラストステージとなる。引退を宣言しても復帰した歌手は多いが、橋は「確かに今後喉が良くなったりするかもしれないが、それはないです」と言い切った。【笹森文彦】

◆橋幸夫(はし・ゆきお)本名・橋幸男。1943年(昭18)5月3日、東京都生まれ。60年に「潮来笠」でデビュー。吉永小百合とデュエットした「いつでも夢を」(62年)と「霧氷」(66年)で2度日本レコード大賞を獲得。「恋をするなら」「恋のメキシカン・ロック」「子連れ狼」などヒット曲多数。血液型A。