漫画家・尾田栄一郎氏(46)の漫画「ONE PIECE」を原作としたフジテレビ系アニメ「ワンピース」(日曜午前9時半)が、11月21日の放送で1000話を迎える。そのことを記念して、特別に制作されたアニメ放送1000話記念ビジュアルが14日、解禁となった。

1000話記念ビジュアルには、主人公モンキー・D・ルフィをはじめとする麦わらの一味10人が描かれており、彼らと相対する形でカイドウをはじめとした百獣海賊団の面々が描かれている。その構図は、まさに圧巻だ。24日からアニメのエンド部分で1000話に向けて毎週、カウントダウン方式で数人ずつ放送する予定だ。

「ONE PIECE」は、ゴム人間になった少年モンキー・D・ルフィが海賊王を目指し、海賊団“麦わらの一味”を率いて、海賊王ゴール・D・ロジャーが残した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求めて航海する物語。漫画誌「週刊少年ジャンプ」で1997年(平9)7月22日に連載がスタートし、フジテレビ系アニメ「ワンピース」は、2年後の1999年(平11)10月20日に放送を開始した。連載は1月4日発売の同誌で連載1000話を迎え、9月3日にはコミックスの100巻が発売と、原作は今年に入り相次いで節目を迎えたが、さらにアニメも大きな節目を迎えた。

フジテレビ編成部の江花松樹プロデューサーは「第1話の放送から、放送を続けること22年。今まで関わってきたアニメスタッフの“受け継がれる意思”、そして支えてくださった視聴者の皆さまの熱い思いでここまでくることができました。この場を借りて御礼申し上げます。時代は変われど、『ONE PIECE』の良さは変わらない…。節目を迎えたアニメ『ワンピース』は今後ますます盛り上がっていきますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いします!」とコメントした。

東映アニメーションの柴田宏明プロデューサーは「1999年10月に放送がスタートしたアニメ『ワンピース』が、ついに1000話放送に到達します! ここまでルフィたちの冒険を見守り応援してくださった視聴者の皆様にお礼申し上げます。1000話を迎えてお話の方もますます盛り上がっており、記念ビジュアルの絵柄に象徴されるように麦わらの一味とカイドウ率いる百獣海賊団のバトルが佳境を迎えます! そのほかにも1000話の放送ではみなさんに喜んでいただける施策を用意しておりますので、11月21日の放送をぜひご覧ください!」とコメントした。

「ONE PIECE」は、11年11月発売の64巻で400万部、12年8月発売の67巻で同405万部と、初版発行部数の日本記録を更新し続け、21年7月19日の99巻発売中の累計発行部数は4億9000万部を突破。日本を代表する少年漫画だが、連載開始から24年で親から子へと読者層が広がる、日本屈指のコンテンツとなっている。

尾田氏は、1000話達成の際、記念プロジェクト特設サイトに直筆のメッセージを寄せている。

「やーもー 色んなことがありすぎた23年でした。僕の人生の半分が週刊連載。笑 ルフィ達もいくつもの島へ航海し、いくつもの冒険をしてきました。出会った人たちの数はもうわからない!その裏で僕も、たくさんの人たちに出会い、家族を始め数えきれない人たちによって支えられてきました。いろんな人たちに頭があがりません」

「読者にも忙しい人生があり、『読者は5年で入れ代わるもの』それが長期エンタメのセオリーです。だから僕は読者をあまりファンと呼ばないようにしてました。いつか去っていく人達だと自分に言い聞かせてたからです。『おごるな』と。」と持論をつづった。その上で「なのにその考えが恥ずかしくなるほどに、皆さんがルフィを信じてくれるから、僕も皆さんを信じて、好き勝手に漫画を描いてこれました」

尾田氏は、ファンへの感謝の思いをつづるとともに、物語の現状についても説明。

「冒険はここへ来て、最終章に片足をつっこんでます。1000話もやってしまった、だけど、1000話やったからこそできる、面白すぎるストーリーがあるのです! あるのですよ!! なんやかんやで今ご縁のある世界中のONE PIECEファンの皆様! 長いお話になりましたが、もう少しの間、ルフィたちの冒険をどうか見守ってやってください!!」

また、コミックス100巻が発売された9月3日付の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の朝刊には、100巻発売と長きにわたり支持し続けてくれた読者への感謝の気持ちを込めた全面広告を掲載。そこには、尾田氏が作業場で筆を走らせる写真に加え「物語は終盤です。」(コメントは全て原文のまま)という決意の言葉が記されている。