漫才で一世を風靡(ふうび)した漫才コンビ「コメディNo・1」の前田五郎(まえだ・ごろう、本名・前田邦弘=まえだ・くにひろ)さんが10月17日に大阪市内の病院で亡くなっていたことが、5日までに分かった。79歳だった。

関係者によると、持病の悪化もあって体調を崩して入院、治療を継続していたという。本人の強い意向で、葬儀などは密葬で終えた。長女で吉本新喜劇女優の前田真希(42)が9月1日に第1子(長男)を出産し、初孫誕生を喜んでいたばかりだった。

近年を知る芸人関係者によると、大衆演劇と交流もあり、道頓堀や新世界の劇場へ姿を見せることもあった。場合によっては、客として来場し、旧交のある芸人を訪ねていたといい、今夏までは大阪で定期的にトークライブを開き、東京でのイベントに出演することもあったという。

ただ、8月に入って体調を崩し、親族が中止を申し入れていた。

前田さんは大阪市出身。63年に吉本新喜劇に入団し、67年に坂田利夫とコンビを結成。前田さんが坂田の「アホ」ぶりを厳しくつっこむうち、坂田の“アホ・キャラ”が完成。シングル「アホの坂田」が大ヒットし、相方を関西で愛される「アホの代名詞」に育てた。

70年には上方漫才大賞・新人賞、第1回NHK上方漫才コンテストで優秀話術賞を受賞。72年には上方お笑い大賞・金賞、79年に上方漫才大賞を受賞するなど、上方漫才を代表するコンビの“リーダー”として活躍してきた。

趣味で写真を撮影し、楽屋で撮影した写真を芸人仲間にプレゼントすることもあり、訃報を知ったあるベテラン芸人は「1回楽屋に来たら20枚もらったこともある」と言い、しのんだ。

05年頃には写真展示会を開くなど、漫才以外での活動にも幅を広げていたが、所属先の吉本興業とのトラブルから、09年8月にコンビ解散。同9月には契約解除となり、その後は1人で活動を続けていた。

長女前田真希と次女前田まみは吉本新喜劇座員。真希は18年1月に新喜劇リーダーの吉田裕と結婚し、長男を出産。前田さんにとって初孫だった。