英王室を離脱したヘンリー王子(37)が、英国滞在中の警察による警護を拒否された問題で、エリザベス女王は昨年6月に誕生したひ孫のリリベットちゃんに生涯会うことができない可能性が浮上している。

英ザ・テレグラム紙が報じたもので、米カリフォルニア州サンタバーバラ郊外に自宅を構えているヘンリー王子の代理が「警護が受けられない限り、家族を連れて帰国しない」と発表したことは、女王がひ孫たちに会えないことを意味すると伝えている。

2020年3月末の王室を離脱に伴い、英国の内務省は公的資金を使った警察の警護は今後つけないことを発表し、王子側もこの決定を受け入れた。しかし、このほど滞在中の警護費用を「私費」で払うことを提案したが拒否されたことで、裁判所に警察による警護が認められるよう法的手続きを開始したことが明らかになった。

ヘンリー王子は昨年4月のフィリップ殿下の葬儀と同7月に行われた母ダイアナ元妃の銅像除幕式に出席するため単身で2度帰国しているが、妻のメーガン妃と長男アーチー君(2)は1度も帰国していない。昨年のクリスマス休暇を英国で過ごすのではないかとうわさされたが、最終的に断念したことが伝えられている。今年6月にはエリザベス女王の在位70周年を祝うパレードなど盛大な祝賀イベントが行われる予定になっており、夫妻がそろって出席するのかが注目されている。

ヘンリー王子側は昨年7月に帰国した際に身の危険を感じたと主張しており、自身や家族がネオナチや過激主義者らによる脅迫にここ数年さらされていると訴えている。「ヘンリー王子の目標は単純です。英国滞在中、彼自身と家族の安全を確保し、子供たちが母国を知ることができるようにすることです」と代理人はコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)