バーチャル空間に平安時代を再現し、歌舞伎俳優の動きと合成する「META歌舞伎 Genji Memories」(25日午後9時半、ライブ生配信)の制作発表会がこのほど行われ、総合演出を務めた中村壱太郎(31)、中村隼人(28)が意気込みを語った。

光源氏を演じる隼人は「まさかと思った。近年では(市川)海老蔵さんしかやっていない。歌舞伎界の屈指の色男が上演している役を僕が…」と驚きながらも「チャンスだと思った。演劇の可能性を広げたい」と話した。

希代のプレイボーイとして描かれることが多い光源氏だが、隼人は「心に抱えている闇、影の部分が光源氏のひとつの魅力。容姿もきれいで完全無欠だが、欠落している部分もあるというのは共感できる」。衣装を着た自身について「すごいすてきだなと思った」と自信をみせた。

壱太郎は、光源氏を取り巻く5人の女性を演じるほか、総合演出も務めた。源氏物語を選んだ理由について「コンパクトな空間でもダイナミックで美しい歌舞伎ができる題材」。同世代とともにチャレンジしたいという思いから、隼人に光源氏役を依頼したという。