親子3世代を描くNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8時)で、3代目ヒロインひなたの物語が始まった。

高校生からのひなたを演じる川栄李奈(26)の登場を前に、同ドラマの公式ツイッターでは初公開の本編映像など宣伝動画を投下。安子編で行方知れずとなっていた安子の兄・算太(濱田岳)が一瞬写っただけでも、ネットはなかなか沸いていた。「あの人、どうなったの?」という視聴者心理をくすぐる展開にしっかり踊らされ、日々楽しんでいる。

先日行われたオンライン取材会で川栄は「3世代でのつながりを感じてもらえると思う」と今後に控える夏祭りのシーンを紹介。ひなたの相手役となる時代劇の大部屋俳優・五十嵐文四郎(本郷奏多)との甘酸っぱい場面が準備されているという。安子編でもるい編でもカップルで夏祭りを訪れるシーンが印象的に描かれており、ひなた編も同様に「キュンキュンする見どころだと思います」と話した。

取材会に同席していた堀之内礼二郎チーフ・プロデューサー(CP)は、川栄の話を受けヒロインたちの恋の共通点を解説。歴代カップルの出会いのきっかけは全て「店」といい、「安子さんの時も稔さんが訪ねてきて、るいさんの時もジョーさんが店に訪ねてきて、ひなたちゃんの時も五十嵐さんが来る」と語った。 安子は実家の和菓子店で稔と、るいは働くクリーニング店で錠一郎と出会っている。ひなたと五十嵐も、ひなたの実家である回転焼き屋「大月」で顔を合わせることになるという。「そういう相似形になっていることがたくさんあって、僕らも気づいていないでやっている。後で考えると、そうか、そういうことになってたんだ」と、のちに発見することも多いようだ。

堀之内CPは、ネットの盛り上がりにも感謝しながら「考察みたいなことを記者の皆さんや視聴者の方に書いていただいて、そういう楽しみ方ができる味わい深い構造になっている」。夏祭りも出会いのきっかけも偶然のはずはなく、脚本藤本有紀さんの頭の中で考えられたものだろう。話を聞きながら、ストーリーの組み立てに感心するばかりだった。

川栄は「藤本さんの書かれる脚本は、嫌なやつが出てこないんです」と話す。個人的に一番気になるのは、アメリカに渡った安子のことだが…最後はスッキリと回収されることを期待している。【遠藤尚子】